宮崎県の郷土料理と食文化

久々の都道府県と食シリーズ。今回は宮崎県です!

鹿児島のお隣の県ですが、南北に長く鹿児島から交通の便も良いわけではないので、近くて遠い県。知らないことも多いと思い、今回も宮崎県在住管理栄養士の方に記事を書いていただきました。

何を食べてもハズレ無し!宮崎のおいしいものをご紹介

「日本のひなた」宮崎県はその名の通り、太陽の恵みが豊かで食べ物が美味しい地域。今回は宮崎県の郷土料理がどれほど地域に根付き愛されているかをお伝えします。

宮崎県の特産品

宮崎県は農業が盛んなので、どこで買っても美味しい食材が手に入ります。

畜産

宮崎牛、宮崎ブランドポーク、みやざき地頭鶏が宮崎県の有名な畜産品です。ブランド化されたものはもちろん、スーパーの店頭に並ぶ名もなきお肉も美味しいです。伝統的な血統や技術、暖かい環境が揃って脂の旨味が強いお肉が育ちます。お取り寄せできるお肉もあるので、チェックしてみてください。

農産物

きゅうり、ピーマン、さといも、お茶、きんかん、日向夏、マンゴーが全国で上位の生産量です。野菜のビタミンCやβカロテンは日射量が多いほど増加傾向にあるので、宮崎の気候を利用した農産物はおいしいだけでなく栄養価も高いのが特長です。

野菜と果物の他に、スイートピーやラナンキュラスなどの可憐な花もトップクラスのシェアを誇ります。

海鮮

南北に長い海岸線を持つ宮崎県は太平洋の恵みを受けたお魚がおいしいです。一本釣の近海かつおをはじめ、鱧や伊勢海老も絶品です。日南で毎年開催されるかつおフェアで食べられるかつおと魚うどん、秋になると食べられる鱧天そばがおすすめです。また、シロチョウザメの完全養殖に成功し、国産で唯一の本格熟成キャビアの商品化も実現しています。

焼酎文化と共に歩んできた宮崎の食

宮崎では、1日の疲れを癒すためにお酒を飲むことを「だれやみ」(だれ=疲れ、やみ=止める)と呼びます。「だれやみ」のお供に欠かせない料理をほんの一部ですが、ご紹介します。

甘い味付け

宮崎の味付けは甘味と塩味のバランスが肝です。おばあちゃんが作ってくれる、卵焼き、煮しめ、味噌汁など基本的に甘味が強い味付けになっています。それらを食べて育った私たちも甘めの味付けが大好きです。

醤油と味噌

九州の醤油は関東の醤油より甘いです。さらに、九州でも南下するほど甘くなると言われています。新鮮なお刺身を宮崎の甘い醤油で食べると旨味が強まり、ご飯も焼酎も進みます。味噌も麹の割合が高い、塩分濃度が低め、熟成期間が短いなどの理由で甘く仕上がるものが多いです。

煮しめ

鶏肉、椎茸、昆布、根菜を中心にした野菜を出汁、醤油、みりん、酒、砂糖で煮込んだものが煮しめです。みりんと砂糖でこれまた甘めの味付けになります。煮汁が少なくなるまで火にかけることを煮しめるといい、煮しめという料理名の由来になっています。具材は、厚揚げや切り干し大根、こんにゃく、さといも、にんじんなどがおすすめです。親族が集まる日には必ず食べる1品です。

地鶏

旨味の強い地鶏の炭火焼きは、しっかりとした塩味もあるのでご飯や焼酎が進みます。柚子胡椒をちょっと付けて食べれば、大人のおつまみとして最高の1品に格上げできます。鶏刺しとして、ニンニクや生姜を溶いた醤油で食べるのもおすすめです。お好みの歯ごたえの強さに合わせて、硬めが好きなら親鶏、軟らかめが好きなら若鶏を選んで食べてみてください。

メヒカリの唐揚げ

メヒカリは漁のついでに漁れるなんということもない深海魚でしたが、そのおいしさを知る地元の方々の熱心な働きかけにより、宮崎では定番の酒の肴になりました。宮崎の居酒屋には必ずと言って良いほど「メヒカリの唐揚げ」があります。骨までサクッと食べられるので、大人だけでなく子どもたちにも人気の料理です。地元ならではの刺身でいただくという食べ方も非常に魅力的です。

宮崎県の郷土料理レシピ

宮崎県で愛されている郷土料理の代表として「チキン南蛮」と「がね」をご紹介します。どちらも家庭の食卓によく登場する定番メニューなので、ぜひ作って食べてみてください。

チキン南蛮

宮崎県民に愛されている郷土料理No.1は間違いなくチキン南蛮です。お店にチキン南蛮定食があれば必ずオーダーするのが宮崎県民の性です。

本場のチキン南蛮を作るポイントは主に4つです。

・タルタルソースをたっぷり作る

・甘酢はしっかり甘くする

・衣は卵液を最後に付ける

・鶏肉が熱いうちに甘酢に浸す

レシピは下記URLを参考に、ご家庭ならではの味を作ってみてください。我が家ならではのアレンジポイントはタルタルソースに刻みらっきょうを入れることです。

チキン南蛮のレシピ:https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/chikin_nanban_miyazaki.html

がね

焼酎の原料にもなる芋の生産量が多いので、芋料理も食べる頻度が高いです。かんしょカレーやねりくり(芋と餅に砂糖を加えて練り、あんこやきな粉をかけて食べます)、がねなど老若男女に好まれる料理があります。

宮崎と鹿児島のがねの明確な違いはありませんが、衣が小麦粉、塩、砂糖とシンプルなのが宮崎、醤油やもち米粉を入れてひと工夫しているのが鹿児島流のようです。

かき揚げとの違いについてですが、衣に砂糖が入っていて甘いことが挙げられます。これまた各家庭の味があるので、ごぼうや玉ねぎ、にんじんを一緒に揚げたり、衣の味が違ったりします。

参考サイト

みやざきブランド推進本部

http://www.miyazakibrand.jp/index.html

みやざきブランドポーク

みやざき県庁キッズサイト 宮崎県の産業 農業

宮崎県:宮崎県の産業(さんぎょう)

わたしたちの故郷では、宮崎県の気候や産業、県の仕事について分かりやすく紹介しています。

国税庁 熊本国税局管内「酒造マップ」宮崎県

宮崎本格焼酎応援サイト だれやみ だれやみとは?

農林水産省 うちの郷土料理 煮しめ

農林水産省 うちの郷土料理 チキン南蛮

さいごに(編集者より)

宮崎県の食。隣の件だけあって、がねや甘い味付けの食文化など似ているところも多かったですが、宮崎県独自の食もたくさんありました。

それぞれの地域の気候や文化によって独自に育まれてきた食。全国各地を回りそれぞれの郷土料理を食べたいなあと思います。宮崎県へ行ったときはまずは、本場のチキン南蛮!楽しみです♪

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