社員食堂で働く管理栄養士

はじめに

久々の管理栄養士としての働き方紹介シリーズ!

今回の管理栄養士の働き方を書いてくださったのは、東京都で働く管理栄養士4年目、新卒で委託会社に勤務し、現在の配属先が社員食堂の方の記事です。

社員食堂の栄養士さん、どんな働き方をしているか読んでみてくださいね。

1日の流れ

今まで、大手企業様、大手デパート様、病院の職員食堂など、様々な場所を経験してきました。提供している食数は一番多いところで1500食、少ないところで50食でした。そんな私が現在勤務しているのは、大手企業様の社員食堂です。調理から栄養士業務まで一連の業務を行っています。

【1日のスケジュール】

7:00 始業(メール確認、前日の日報作成、社内に報告)

8:00~11:00  昼食調理、検品作業、調理指示書の作成(仕込みをパートさんに手伝っていただくための指示書を手書きで作成します)

11:00 料理サンプルの作成(お客様がおいしそう!と目で感じて頂けるような美しい盛り付けで作ります。)

11:15 朝礼( メニューの確認や盛り付け方の説明、前日の売上報告を行います。)

11:30~13:30 営業、仕込み(接客しながら、合間を見て調理や仕込みも行います。)

13:30 清掃・片付け

14:00 休憩しつつ、栄養士業務( 売上確認、クライアント対応、メニュー作成、POP作成など)

17:00 退勤

このように、気が付くと1日があっという間に過ぎていく毎日です。

仕事内容

事業所の運営、管理

 パート、アルバイトのシフト作成や、労務費など人やお金の管理を行います。売り上げに応じて人件費の見直しや、業務内容の見直しも随時行っていきます。

メニュー作成

季節ごとにイベントを企画したり、旬の食材を使った新メニューの開発、お客様のニーズに合わせた献立作りをおこないます。メニューの数が多い場合は、使用する食材が重なっていないか、調理方法が重なっていないか、仕込みや盛り付けが大変な物ばかりになっていないかなど、作業工程や出来上がった料理を想像しながら考えています。

発注、納品

食材の発注では、複数の業者に見積りをしていただき、値段と相談しつつ質のいい食材を仕入れるようにこころがけています。納品した食材の状態を見極め、腐敗などがないか、商品のパッケージに破損がないかなどを確認します。

クライアント様対応

クライアント様と定期的に会議を開き、料理やサービスに対してご意見を伺います。クライアント様とのよりよい関係づくりが欠かせません。

社員食堂管理栄養士のやりがい

 なんといってもお客様からの「おいしかった!」の声をいただいた時です。

手間のかかる料理や、企画に時間をかけたイベントを喜んでくださったときは「頑張ってよかった」と思います。

そして、自分で考案したレシピが調理師さんたちの手によって想像していた通りの料理になって出てきた時もやりがいを感じます。というのも、

管理栄養士はメニュー作成を任されている=自分の作り上げたいお店を作ることができる

ということなんです。つまり、おしゃれなお料理を出すのも自分次第、環境問題に配慮したSDGsを意識したメニューにすることもできる、外国人のお客さまがいらっしゃる場合は、ベジタリアンメニューや外国のお料理を提供することもできるのです。

大変なこと

「人とのかかわり」「勤務体系」

の二つです。

一つ目の「人とのかかわり」は、管理栄養士に限ったことではないかと思いますが、人間関係が円滑に業務を進めていくうえで欠かせません。

事業所には多いところで20~40名の従業員が一緒に勤務しています。

管理栄養士は、年上の人も含めて、お仕事を依頼したり、指示を出すことが非常に多いです。そこで重要なのは「相手の立場に立って思いやりのある発言をすること」だと私は思います。

信頼関係を築くことは大変ですが、自分の成長にもつながる大切な役割です。

そして二つ目の「勤務体系」についてですが、こちらは配属される事業所によって変わります。

例えば、昼食のみの提供だけでなく、朝~晩の3食提供、夜のパーティーや宴会が行われる事業所まで様々です。そのため、固定の勤務時間ではなく、早朝や夜遅い勤務となる事も珍しくありません。

体が慣れてしまえば問題ないのですが、慣れるまでは体調管理が必須となってきますね。

今後この分野で栄養士が活躍していくために必要なこと

最後に私が考える栄養士に必要な力についてお話ししようと思います。

コミュニケーション能力

お客様、店長、調理師、パート、クライアント、業者の方、など仕事をしていくうえで関わる人はとても多いです。そのため、よりよい人間関係を築くためにも、広い視野で気を配り、コミュニケーションをたくさん取ることが大切です。

料理に関する知識

お客様が飽きの来ないメニューを作るためには、料理に関する知識を幅広く持っていることが大切です。調理師さんとメニューの相談をするときには、作り方が分かっていないと円滑に会話が進みません。日ごろから、食に関して興味を持ち、幅広く知識を持っておくとよいですね。

管理栄養士としての誇りと自分の大切にしている軸

人間関係、業務量などで辛いことも多々ある管理栄養士の仕事。

そんな中でも自分が何を大切にしたいのかを明確にしておくことで、軸がブレず乗り越えることができると思います。

まとめ

社員食堂の管理栄養士は、自分次第で様々なことに挑戦できる仕事です。大変な事もありましたが、振り返ってみると私が考えたメニューを召し上がった方の数は1万人以上です。

そう考えると、こんなに多くの人の役に立てる仕事は素敵だと思いませんか?

お客様の反応が間近で見ることが出来るので、やりがいも大きいと思います。是非、自分が管理栄養士になりたいと思ったきっかけを大切に、誇りをもって素敵な管理栄養士を目指してください。

さいごに(編集部より)

社員食堂で働く管理栄養士さん。自分で考案したメニューが採用され、おいしいと言ってもらえる姿は素敵です!

辛いことがあっても『管理栄養士として自分が大切にしている軸』をしっかりと持つことが大切…この言葉はどの職場にいても通じる大切なコトですね。

益々管理栄養士さんが輝いて働ける環境が増えますように☆彡

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA