鹿児島の正月と食
皆さん、お正月はゆっくり過ごせましたか?
さて、私の生まれ・育ちは関西なのですが、鹿児島に来ていろいろと文化・風習が違って興味深い!と思うことが多々ありました。
今回はその中でも正月の違いは興味深く、主に食の面から鹿児島独自・素晴らしいと思ったことを書こうと思います。
お雑煮
鹿児島のお雑煮はなんと
焼き海老で出汁
をとります。
年末にはスーパーに海老出汁用の焼き乾燥エビがたくさん並びます。

初めて来たときは、これは何に使うのだろう??とさっぱりわかりませんでした。
海老を使う理由として
・腰が曲がるまで長生きする
・鹿児島県出水市の『けた打瀬漁』で海老がとられていた
ことからと言われています。
ケタウタセ漁について初耳でした。
MBC南日本放送のMBCアーカイブに「ケタウタセ漁と焼きエビ作り」が画像付きでわかりやすく載っていましたのでシェアします⇓
そして、この焼きエビでとった出汁に味噌を入れず、おすましで食べるのが主流です。
また、具は各家庭によって若干違いがありますが、
・豆もやし(まめまめしく働けるように)
・里芋(子孫繁栄)
が入っていることが多いです。
海老や里芋はおせち料理に入っていますが、豆もやしとは少し驚きました!
七草がゆ
1月7日人日(じんじつ)の節句。
この日に食べられる七草粥は大きくは変わらず、
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草をいれたおかゆです。

が、鹿児島では
家に余っているお餅やかまぼこなど(お正月料理で余った具材)をいろいろいれた七草がゆ
もポピュラーのようです。
確かに(私統計ですが…)鹿児島の方に聞くと、七草がゆにはお餅いれるよ~とか、豆もやしいれるよ~と言った方がほとんどでした。
そして独特なのが、
『七所雑炊』(ななとこいのずし)や『七草参り』
と言われる風習があること!
数え7歳になった子供が、晴着姿でお椀をもって近所や親戚の家を7軒回り、雑炊(七草がゆ)をもらって歩くというもの。
今では少なくなったとはいえ、この風習が残っている地域もあるようです。
これからも大切にしていきたい文化ですね。
鬼火焚き
こちらも初めて見聞きした時は驚いた風習の一つ。
1月の6,7日頃に子供たちが集まって行う鬼火たき。
正月に使ったしめ縄や門松を盛大に燃やす行事です。
青竹が
パンッ!
と爆ぜる音に驚きつつ、この煙や火にあたることで厄除けの意味があるということです。

通常ならこの火を使って餅を焼いて食べ、無病息災を祈るよう(近年は餅焼きはコロナで中止)。
大切な風習を今でも絶やさず小学校で行ってくれていることに感謝です☆
伝統は残して後世に伝えていきたいですね。
皆さんの住んでいる地域の伝統行事・食なども是非教えてくださいね♪
参考文献
- はじめての郷土料理 千葉しのぶ
- 鹿児島郷土料理全書 今村知子