学校栄養士としての働き方
eienはじめに
学校給食には、センター式や自校式がありますが、私は
自校式で “学校栄養士”
として学校に配属されました。調理業務は委託の会社が入っているので基本的にはありません。味の最終確認と忙しいときに下処理を手伝う程度でした。
仕事内容
・献立作成
・発注
・帳票の作成
・衛生管理
・調理指導
・給食指導
・献立表
・給食たより
・請求書の処理
・予算の調整 など
献立作成：月に１度地域内の学校栄養士が集まり、内容を決めます。自分が配属されている、学校で決まっている、パンの日や麺の日を調整したり、学校の特色や傾向に合わせて変えます。季節によって、行事食を取り入れ、地域の農家の方から野菜を寄付していただいたものを給食に使うこともあります。
発注業務：１か月分まとめて行うので、ミスがないかとても重要な仕事です。何度も何度も確認していました。
帳票の作成：指示書と動線表と作業工程表の作成。動線表は忙しくて作っていないという栄養士の方もいましたが、万が一、何か事故があった場合に、自分を守るものにもなるので私は、作成していました。
衛生管理、調理指導：委託の調理師さんとの関係性がとても重要です。普段のコミュニケーションをどうとるかで、栄養士への信頼度が変わってきます。関係良好なら、いつでも支えになってくれる強い味方です。在庫が少ないとき早めに知らせてくれたり、学校の都合で、給食の提供時間が変更になるときなど、スムーズに対応してくれます。
給食指導：食べている子どもたちの様子を見に行ったり、残菜がどれくらいあるかを把握していました。その他には、給食委員会に参加していました。毎日給食の放送があると、その原稿を考えて読んでもらっていました
献立表、給食たよりの作成：月１回全校分を印刷して、クラスのボックスに配布します。給食たよりの内容は、季節のことや食材についてなど内容を決めるのに最初は戸惑いましたが、慣れてくると割とすぐにアイデアは思いつきました。
請求書の処理：日々の納品書の額と月の請求書の額があっているか確認します。間違いがまれにあるので注意が必要です。
予算の調整：日ごとに１食いくらかかっているか計算するのですが、予算内で収まっていれば基本的には問題ありません。が、給食費未納の家庭があったり、野菜が高騰したり、年度のギリギリまで悩みます。給食が足らなくなるのは問題外ですが、残しすぎても年度末のPTA監査で指摘される可能性があるのでNGです。
ざっくりとした仕事内容ですが、他にも
・県や市から依頼される調査業務
・機器が壊れた時の業者とのやり取り
・学校栄養士ならではの電話対応や来客対応
・学校の行事への参加（お茶出しや受付係など）
など細かいことがたくさんあります。
大変なこと・嬉しいこと
給食の時間は、忙しく食べる時間も短く、普通の会社である休憩時間もほぼありません。
１度主食の発注漏れをしたことがあります。調理員さんがすぐに気が付き、泣きそうになりながら、先生方の協力があり何とか対応できました。ひとりでは、時間に間に合わなかったかもしれません。
栄養士業務は、ひとり職なので、不安も大きいです。それでも、
おいしかったと直接言ってもらえることや、全部きれいに食べた器が戻ってくる
と、大変なこと全て忘れるくらい本当にうれしいです。
この仕事で必要なのは、確実に
コミュニケーション能力
と感じています。
調理師さんと関係性、先生方との関係性も大切です。こちらからのお願いごとがあるときにどれだけ協力してもらえるかは、普段の関係性の中で、信頼してもらえるか、この人の頼みなら聞いてみようと思ってもらえるか、だと思います。
年に数回、全クラス残菜なし
ということがありました。栄養士として、こんなにうれしいことはないですよね。卒業生が最後に感謝のお手紙をくれたり、わざわざ私のいる部屋までお別れの挨拶に来てくれるなんてこともありました。
学校給食ならではのことで、
子どもたちのために頑張ってよかったな
と思える瞬間でした。
栄養士としてとてもやりがいのある仕事です。
おわりに（編集部より）
学校栄養士として埼玉県で働かれている管理栄養士Ｓさんからの記事でした。
Ｓさんの地域では、配属先を中学校か小学校のどちらかで働きたいか選べるようです（必ずしも希望に沿うとは限らない）。また、学校栄養士採用であり栄養教諭が必須ではなく、実際にＳさんは栄養教諭の資格は持っていないとのこと。
栄養教諭の資格があると、生徒・児童への食育などの授業を受け持つ機会ができるので、今後栄養教諭の資格をもつ学校栄養士さんの需要も高まってくると考えられます。
実際に栄養教諭として働かれている方のお話しもお聞きしたいと思いました！情報をお持ちの栄養士さん、お待ちしております♪
