節分と食
明日は節分!
とはいっても、なぜ恵方巻をたべるのか、なぜ豆を撒くのかをきちんと知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は節分のいわれと節分にまつわる食について改めて調べてみましたので、是非読んでみてくださいね。
節分はどんな行事?
節分は旧暦の大晦日に家族で新年を祝う日です。
節分と立春の関係
立春は古い暦では1年の始まりである正月と同じです。
そのため、節分は1年の終わりである大晦日にあたります。
節分と立春は大切な人と新年を迎えるための行事だったのです。
節分の日の定義は立春の前日です。
立春の日は地球の公転周期の影響で稀に変わることがあるので、2月3日ではない年もあります。たとえば、2021年の節分は2月2日でした。毎年立春の日付を確認して節分に備えると良いですね。
恵方参り
その年の良い方角を向いて巻き寿司を食べる元になった慣習は恵方参りです。
恵方とは、その年の福を司る神「歳徳神」がいる方角です。
恵方の神社へ詣でていた文化と巻き寿司を食べる文化が結びついて、現在の恵方巻の食べ方が生まれました。
立春の日に恵方は変わるので、毎年異なる方角を向いて恵方巻を食べます。
恵方巻の起源と食べ方
古い起源|大阪の商人
いくつか恵方巻発祥の説は存在しますが、主に大阪で食べられたのが始まりだと言われています。
江戸時代の終わり頃から大阪の商人が商売繁盛、無病息災、家内安全を祈り巻き寿司を食べていたことが由来と考えられています。
現代の起源|大手コンビニチェーン
節分に恵方巻を食べるのは限られた地域だけでしたが、1980年代後半から大手コンビニチェーンが恵方巻を売り始めました。
売れ行きが好調だったため全国展開された結果、日本全国で節分に恵方巻を食べる風習が根付きました。
恵方巻の食べ方
恵方巻に入れる具にも願いを込めよう
おせちに入れる料理と同じように、エビを入れて生きを願う、きゅうりを入れて9つの利をもたらすよう祈るなどがあります。
恵方巻の具には何を入れるか決まりがないので、好きな具材にどんな意味を付けるか考えてみるのも節分の新たな楽しみ方としておすすめです。
恵方を向いて黙々と食べよう
恵方にはその年の福を司る歳徳神がいらっしゃるので、その福にあやかれるよう、恵方を向いて巻き寿司を食べます。
今年の恵方は北北西
(厳密には北北西やや北寄り)なので、食卓からどの方向を向くのか確認して食べてみましょう。
恵方巻は、食べ終わるまで話をしないという特徴的なルールもあります。
恵方巻を食べている間に言葉を発すると、口から福が逃げてしまうと言われています。その年の福を最大限いただけるように、食べ終えるまで話さないようにしましょう。
切らずに丸ごと1本食べる理由
主に2つの理由があります。
1つ目は、恵方巻の作り手が忙しすぎたため切らないようにしたです。現在もそうであるように年末年始は何かと大忙しです。昔は家族だけでなく近所からもお客さんが来て恵方巻を食べていたので、恵方巻を巻くだけでも大変でした。そこで、切らずに丸ごと1本出すようになったそうです。
2つ目は、縁を切ることを連想させるという理由です。福や縁といったありがたい意味が込められた恵方巻を包丁で切ってしまうと悪いと考え、1本丸ごと食べるようになったと言われています。
節分に食べる食べ物は恵方巻だけじゃない!
柊鰯(ひいらぎいわし)
江戸時代に刊行された『絵本あつめ草』という本に「桃太郎」の話が収載されています。この「桃太郎」では節分の夜に連れ去られた人を救うため、柊と鰯の精をお供にして鬼退治に出かけるという話になっています。
昔から鬼は人を襲って食べると人々から恐れられていました。そこで、
家の門戸に柊の枝に鰯を刺して飾り、鬼から身を守るように
なりました。
これが由来となり、現在も鰯を飾る地域があります。また、この風習から「鰯の頭も信心から」という言葉が生まれました。どんなにつまらないものでも信仰している人にとっては価値があるという皮肉めいた意味です。
飾るだけではなく、節分に鰯を食べる風習もあります。新年を迎える前に匂いが強い鰯を食べると厄払いになるという考えに基づいています。
節分におすすめな鰯の食べ方
焼いた鰯の頭を飾り用に、頭から下はそのまま鰯の塩焼きとして食べるのがおすすめです。
鰯には、DHAやEPAというn-3系不飽和脂肪酸が含まれています。子どもたちの脳の発達促進、大人では動脈硬化の予防などに効果があるという研究結果もあります。
また、鰯のつみれ汁もおすすめです。恵方巻とも相性が良い食べ合わせなので、ぜひ今年の節分で作ってみてはいかがでしょうか。
豆
豆まきのいわれ
鬼やらいという鬼を追い払うための行事と魔(鬼)を滅する、魔滅(マメ)が結びついて、節分に豆まきをするようになりました。
標準的な豆まきは、「鬼は外、福は内」と言いながら煎り大豆を鬼に向けて投げる方法で行われています。
地域によって撒く豆の種類に特色があります。
大豆、落花生が主に撒かれていますが、最近では片付けのしやすさを考えて、袋入りの豆を撒く場合が多いです。小豆やうぐいす豆、でんろく豆を撒くところもあるようです。
好きな豆を撒いて食べよう
年齢の数だけ豆を食べるというのも全国的に広まっており、厄除けの意味が込められています。
地域によっては、年齢より1つ多い豆を食べるところもあります。これは、年取りという行事の名残りだと言われています。
節分献立を楽しもう
節分は伝統的な年中行事という面と、時代に合わせて変化する新しい行事の面を持ちます。自由に楽しむことが節分の正しい過ごし方なので、我が家ならではの節分を作ってみてくださいね。
手作り恵方巻
好きな具材を入れて自分だけの恵方巻を作ってみるのも楽しいです♪
具材の用意だけこちらで行い、巻くのはセルフサービスにすると手間が減るだけでなく、作る過程も楽しめるのでおすすめです!
鮮魚だけでなく、ツナ缶やカニカマも利用すると簡単に美味しい恵方巻を作ることができます。
具沢山の汁物
地域によっては、鬼除け汁という根菜をたっぷり使った味噌汁を節分に飲むことがあるようです。恵方巻に合う温かい汁物があると、心身ともに温まります。
節分にこんにゃくやそばを食べる地域もあるので、その文化を汁物に取り入れるのも良いですね。1年の終わりにその年の悪いものを腸から出すためにこんにゃくを、縁起を担ぐため大晦日と同じようにそばを食べる風習があります。
おわりに
さて盛り沢山の内容になりましたが、いかがでしたか?
明日の節分は、是非豆まきをして、恵方巻を食べてお過ごしくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました。
参考文献
- フォークロリズムからみた節分の巻きずし 著者:岩崎竹彦 日本民俗学
- 現代社会と「郷土食」 著者:古家晴美 筑波学院大学紀要第3集
- 節分の夜門戸に挿す鰯頭につきて 著者:出口米吉 東京人類學會雜誌
- 現代人における年中行事と見出される意味ー恵方巻を事例としてー 著者:沓沢博行 比較民俗研究:for Asian folklore studies
- 節分と節供の民俗 著者:飯島吉晴 天理大学考古学・民俗学研究室紀要
- 節分行事の変化の質問紙調査による研究 著者:菅宮健 生活学論叢
- 食卓の縁起に関する研究 Ⅰー恵方巻の受容とその背景ー 著者:荒井三津子・清水千晶 北海道文教大学研究紀要
- 近代大阪の節分行事と巻き寿司 著者:伊藤廣之 郵政考古紀要
- 現代家庭における年中行事と食べ物 著者:松本美鈴 青山学院女子短期大学総合文化研究所年報
- ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)の生理機能 著者:矢澤一良 日本食品科学工学会誌
はじめまして。私は3児のワーママで、現在、育児休業中です(管理栄養士です)。
ぜひ一緒に活動させていただきたいと思い、コメントさせていただきました!
以前から栄縁さんをインスタグラムでフォローさせてもらっていましたが、ブログなどは見たことはなく…
今回初めて過去の活動など、ブログを全て見させていただき、素晴らしい活動をされていることに感動しました!!特に食育につながる取り組みや料理教室などに興味があります。
管理栄養士として特に大きな強みは持っていないのですが…こんな私でも、微力ながら皆さんの活動に参加することはできますでしょうか?
メッセージありがとうございます!!
栄縁の活動に興味を持ってくださり大変うれしいです❣
大きな強みを持っていない…ことは絶対ないです!
こうやって管理栄養士として何かをしたいとメッセ―ジをくださっただけでも、とても大きな力をもっていらしゃいます!
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