鹿児島の郷土料理~あくまき~
「あくまき」は鹿児島に古くから伝わる伝統的な郷土菓子です。
今回は実際に「あくまき」を作ってきたので、その歴史や作り方などをご紹介したいと思います。
あくまきの歴史
地元では「ちまき」と呼ばれ親しまれていて、主に端午の節句に作られています。
なぜ端午の節句に食べられるようになったかは、諸説ありますが、
昔、関ヶ原の戦いの際、薩摩の島津義弘が日持ちする食糧を持参し、兵士が食べていたのがはじまりとも言われています。
あの、鹿児島で有名な西郷隆盛も西南戦争の時に食べていた……なんて話も。
保存性が高く、腹持ちが良いので薩摩では長らく戦陣食として活用されていたようです。
こうした背景から、男の子が強くたくましく育つようにと願いを込め端午の節句に食べられるようになったといわれています。
あくまきの保存性
あくまきは保存性が高く、その原料や作り方からとても合理的な保存食だといます。
灰汁に含まれるアルカリ物質がもちの米の繊維を柔らかくするとともに雑菌の繁殖を抑え、長期保存を可能としています。
- 長時間煮ることによる滅菌
- 灰に含まれる木の成分による抗菌
- アルカリ環境による雑菌繁殖
- 竹の皮による抗菌
高温多湿で食べ物が腐敗しやすかった鹿児島においてまさに薩摩の先人の知恵が詰まった一品というわけですね!
あくまきの作り方
あくまきはもち米を木や竹を燃やした灰から取った灰汁(あく)に浸したあと、そのもち米をを孟宗竹(もうそうちく)の皮で包んで、薄めた灰汁水でもち米の粒が艶のあるあめ色になるまで煮込んで作ります。
前日からもち米を灰汁に浸しておきます。
ザルにあげて水気を切ったもち米をを竹の皮に包みます。
もち米が出てこないように2~3カ所ひも細くした竹の皮で結んでおきます。これを薄めた灰汁水で差し水ながら3~4時間煮続けてて中のもち米がふっくら膨らんであめ色になったらできあがりです。
あくまきの食べ方
そのままではほとんど味がなく(やや灰汁のえぐみのような苦みがある)
お好みできな粉と砂糖や黒糖、砂糖醤油などをつけて食べるのが一般的です。
実際にあくまき作りを体験してみると、時間はかかるものの作業自体は簡単でした。コツは加熱するともち米が膨らむので少し余裕を持って包むこと。
長時間煮るので火の番をしながら、昔話に花を咲かせて穏やかな時間を過ごせました。
祖母から母の世代、そして私や私の子供の世代へとこんな風に一緒に作りながら受け継がれていくのだなと感じました。
鹿児島では4月後半ごろからスーパーなどでも見かけるようになるので
ぜひこどもの日にが家族で召し上がってみてください。
作っている様子は栄縁のインスタで動画を載せているのでそちらも覗いてみてくださいね♪
栄縁インスタinstagram.com/eien.kagoshima/
参考資料
- 農林水産省ホームページ
- 鹿児島市ホームページ