スポーツ栄養士への道と働き方

はじめに

はじめまして、管理栄養士・公認スポーツ栄養士の猿田綸咲です。

私は普段、管理栄養士養成課程大学に勤めながら、バスケットボールチームのスタッフとして、選手の栄養サポートを行っています。

毎日の食事を管理や、遠征時には遠征先と食事調整を行ったり、さらには試合時には飲料や補食を持って現地でサポートをしています。

今回は、公認スポーツ栄養士の資格取得方法や、公認スポーツ栄養士としての仕事のやりがいや今後の活動について、お伝えしていきたいと思います。

公認スポーツ栄養士はどうやって取得できるの?

資格を取得するまでに、様々なステップがあります。わかりやすいように、私の例を参考にお伝えしていきます。

〈時系列でみる、資格取得までの過程(~猿田バージョン~)〉

【2017年】

3月:大学卒業

4月:大学院入学

5月:管理栄養士取得(当時は3月末に試験、5月中旬に合格発表でした!)

12月:日本スポーツ栄養学会主催のベーシック講習会受講(2日間:朝から晩まで)

【2018年】

5月:公認スポーツ栄養士養成課程への受講決定通知

7月:公認スポーツ指導者講習会受講(5日間:朝から晩まで)

12月:専門科目前期講習会受講(3日間:朝から晩まで)

【2019年】

2月:公認スポーツ指導者試験

3月:大学院修了

4月:管理栄養士養成課程大学での勤務開始

6月:専門科目中期講習会受講(3日間:朝から晩まで)

10月:専門科目後期講習会受講(2日間:朝から晩まで)

【2020年】

1月:検定試験

3月:検定試験結果通知

10月:公認スポーツ栄養士登録

3月に合格通知を頂きましたが、日本スポーツ協会と栄養士会の合同資格であり、その他のスポーツの資格と同時に登録のため、正式には合格通知を頂いてから約半年後に取得となります。

養成課程へ入るまでにも書類審査があり、養成課程へ入ってからも、朝から夜までの講義が沢山

いま考えると、よく頑張っていたな~と自分で自分を褒めたいくらいです(笑)講習会受講以外にも、インターンシップを既定の時間以上行わなければいけない課題などもあり、検定試験にたどり着くまでにもいくつもの山がありました。

仕事のやりがい、大変さ

やりがいは、何と言ってもサポートしている選手が「良い成績を修めたとき!!」

栄養サポートが直接、競技成績を左右しているわけではありませんが、選手から良い報告を頂けたときは、とても嬉しい気持ちでいっぱいになります。さらには、私が立てた栄養サポートの計画通りに選手が実行してくれて、目標を達成することができた時も非常に嬉しく感じる瞬間のひとつです。

もちろん、競技成績や目標達成の時にはやりがいを感じますが、激しいトレーニングを行う強化期間や、試合が続く試合期間において、選手、スタッフ全員が体調を壊すことなく乗り切ることができたときにも、大きなやりがいを感じます。

大変なことは…、選手に何か問題が生じたときにはすぐに連絡が来るので(笑)完全にお休みの日がなかなか無いことです。

その他には、私がいまサポートをしているチームには、公認スポーツ栄養士が一人なので、一人で対応するのが難しい場合や、サポート業務量が多いときは少々大変だと感じることがあります。しかし、

勝てたときの喜びや、チームのスタッフや選手から感謝のお言葉を頂けたときには、大変だったことなんて吹っ飛んでしまうくらい、大きなやりがいと達成感を味わうことができる、素敵なお仕事です。

今後の活躍について

“スポーツ栄養は狭き門!”

と言われていますが、活躍することができるステージは沢山あると思います!日本トップ選手や、オリンピックで活躍する選手をサポートできるのは一握りだと思いますが、

  • 小中学校勤務の栄養士 → 部活動で日々激しいトレーニングを行う生徒のサポート
  • 老人保健施設勤務の栄養士 → 機能低下予防のために取り組むご年配の方のサポート
  • 土日が比較的お休みの栄養士 → 地域で活動するクラブチーム等のサポート

などなど、同年代と比較し、運動量やトレーニング量が多い対象者であれば、スポーツ栄養サポートが必要となります。スポーツに打ち込んでいる選手にのみ、スポーツ栄養サポートが必要というわけではありません。

そのため、私も今後、この公認スポーツ栄養士の資格を活かして、

一人でも多くの人々が安全に競技力向上のため、さらには健康の維持・増進のために日常的に運動、トレーニングに取り組むことができるよう、食事面で支えていきたい

と思っております。

プロフィール

猿田綸咲(さるたつかさ)

中学生時代に参加した陸上の強化合宿で、栄養レクチャーを受講したことがきっかけで、スポーツ栄養士になりたい!と思い始める。大学卒業後、管理栄養士を取得し大学院へ進学。大学院ではスポーツ栄養学の研究をしつつ、大学院2年目から公認スポーツ栄養士の養成課程へ入る。大学院修了(修士)後、都内の管理栄養士養成課程大学で助手として勤務しつつ、大学のバスケットボール部のスタッフ(栄養担当)としても活動。

(経歴)

2017年:大学卒業後管理栄養士取得。

2019年:大学院修士課程修了、首都圏の管理栄養士養成課程大学で助手として勤務開始

2020年:公認スポーツ栄養士取得

おわりに(編集部より)

今回は公認スポーツ栄養士を取得し、実際に選手のサポートをしている猿田さんからの記事でした。

スポーツ栄養の道を目指す人は多くいますが、全員に道が開けているわけではないのが現状。また、公認スポーツ栄養士を取得するためにはいくつもの山があり、その山を越えてからが本当のスタートのようです。

猿田さんは公認スポーツ栄養士を取得してから、自ら「栄養サポートをさせてください!!」とお願いし、今のサポートができているとのこと。この『やる気と情熱』、素晴らしいですね!スポーツ選手だけではなく、様々な場所でもスポーツ栄養士は活躍できる道があるという今後が楽しみな分野の1つです。

今後もスポーツ栄養士のさらなる活躍と、新しい道を切り拓いていってくれることを期待します❣

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