幼稚園栄養士として働いて
はじめに
はじめまして。管理栄養士の中村と言います。私は、実務経験を積み、管理栄養士の資格を取得しました。家事、子育て、仕事との両立は大変で、人生で1番頑張ったと振り返って思います。
今回は現在の仕事「幼稚園の栄養士」について紹介させて頂きます。現在管理栄養士をめざしている方達の支えに、そして、少しでも転職等のきっかけの参考になればうれしいです。
1日のスケジュール
8:00~ 出勤・事務作業
8:30~ 調理業務
11:30~ 配膳・事務
12:00~13:00 休憩
13:00~14:30 下膳・洗浄
14:30~ 終礼
15:00~ 事務作業
16:00~ 業務終了
午前中はほぼ調理業務になります。保育園とは異なり、おやつがない為、昼食のみでの提供です。
現在は、230食程の食数で、4名で調理業務を行っています。
幼稚園の方針で、肉、卵、小麦、乳製品の使用は無く、玄米100%・手作り納豆、昆布といりこでだしをとり、生野菜、無添加にこだわった自然食の献立となっております。

もともと自然食には興味があった為、この幼稚園との出会いは少し運命を感じております。
献立作成で大変な事
食材が限られている為、植物性タンパク質を取り入れて、どれだけタンパク質を補うかが課題となります。
栄養価計算はありませんが、ある程度の持ち合わせた知識で少しでもタンパク質をメニューにバランスよく取り入れる事を意識しています。
魚は月に3回と決まりがあり、メインに魚を使う事も限られており、ツナや、ちりめん、豆乳や、豆腐などを取り入れる事、もちろんコストも絡んでくる為、その辺りのやりくりが一番大変です。
月に1度誕生日会があり、デザートに手作りゼリーや蒸ケーキ(米粉使用)などのおやつを提供します。
やはり小麦粉、卵の使用ができない為限られた中での献立作成は大変です。
しかし子供たちに
毎日笑顔で「おいしかった」「全部食べたよ」
などの感想を聞く事が私のモチベーションになっています。

どのような仕事でも大変な事はたくさんあります。しかし、
自分のやりがいは自身で見つけ仕事をより良く楽しいものにしていくかは自分次第
だと思っております。
ご自身にあった栄養士の仕事を見つける事が大切ですね。
事務作業の内容
献立作成・発注作業・在庫確認・収支計算等が主です。
在庫確認作業は月の終わりの在庫量を把握し、次の月の発注量を調整します。この作業はとても大切で、賞味期限の確認、過度の在庫をなくすためには必要な作業です。
一人で事務作業をこなす為その辺りも少し大変かなと思います。
幼稚園や、保育園によっては複数の栄養士さんが在籍されており、献立を月ごとで回して作成する園もあるようです。
そして、野菜の価格の変動が大きい為、いくつかの野菜業者に毎月見積もりを依頼します。その中で発注量を調整、献立の変更等をします。
幼稚園栄養士のやりがい
- 現場で調理をする楽しさや、直接感想が聞ける事、顔をみて話ができる事が現場栄養士の楽しい所です。
- 子どもたちの元気な声、一生懸命に取り組む姿を見ながら調理ができる事はとてもやりがいに繋がります。
- 味の調整や細かな修正ができるため、調理のスキルを磨く事ができます。
気温、野菜の量、温度等小さな変化で味はその都度変化します。その為、味にぶれが生じないよう同じ献立でもその都度調整が必要です。
毎日繰り返していく中で味の小さな変化、どの調味料がどの程度足りないか等がわかるようになってきました。
園の方針はそれぞれ違うと思いますが、衛生管理・調理・事務作業等基本的な事はどの幼稚園・保育園でも変わりはないと感じております。
自分は何が好きで、何をしたいか等ご自身としっかり向き合い良い職場に巡りあえる事、応援しております。
また不明な点等ありましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。
プロフィール
管理栄養士:中村。栄養士資格を取得し、病院の調理業務を3年勤め、転職を経て現在委託幼稚園での現場責任者として働いています。
実務経験を積み、管理栄養士の資格を取得したことにより、国家試験を通じて、あきらめないで挑戦し続ける事、頑張れば誰でも取得できる事を学びました。
今回のブログが現在管理栄養士をめざしている方達の支えになれれば幸いです。
さいごに(編集部より)
今回の幼稚園は、園の方針で自然食を給食に取り入れているとのこと。幼稚園栄養士と一言でいっても、提供する給食は園によってずいぶんと特色が出るなと感じました。幼稚園の栄養士さんを目指している方は、実際その園の様子を見学して決めるとよりイメージが湧きやすいですね。
職場で栄養士は一人…ということも多いと思いますが、子供たちの「おいしい!」の笑顔が何よりの宝物ですね☆積極的に食育活動の関わりができる園だとよりやりがいが出ますね、子供たちの食を支えてあげる素敵な栄養士さんが増えますように☆彡